2025年8月25日から9月13日までの約3週間、戸田商行は高知大学の学生3名を迎え、SBI(Society Based Internship)プログラムを行いました。
SBIは「学生の学び」と「企業の学び」を同時に実現するインターンシップです。
学生にとっては、仕事を体験し、人と関わる中で「自分は何を大切にして生きていきたいのか」を考える時間。
企業にとっては、若い世代を指導する中で社員自身が成長し、組織全体の教育の在り方を見直す機会。
互いが真剣に向き合うことで、新しい気づきが生まれるのがSBIの魅力です。
学生たちの挑戦の日々
真夏の工場での製造作業は、体力的にも決して楽ではありませんが、まずは現場で汗をかきながら木毛を加工する作業を体験してもらいました。今回は1年生2名、2年生1名の3名で最初は「自分にできるのか」と不安そうな表情を見せる場面もありました。
それでも学生たちは声をかけ合い、次第に「どうすれば効率よくできるか」と自ら考えて動くようになっていきました。期間中には、70名の工場見学があり、物販販売も体験。お客様に笑顔で説明しながら、現場のリアルな空気の中で、学生たちは自分の言葉で伝えることの難しさと大切さを学んでくれたと思います。

課題図書から得た気づき
SBIの期間中には、課題図書を読み、その感想を話し合う時間を作りました。テーマは「人生は挑戦なり」
ある学生は「『やればできる』という言葉はあまり好きではなかったが、『やらなければできない』という言葉に触れて、自分の中で大きな転換があった」と語ってくれました。
また別の学生は「人と関わることが苦手だったが、どうすれば関われるかを考え、挑戦するなかで自分なりに学ぶことができた」と振り返りました。
さらに「社員のみなさんが真剣にものづくりに向き合う姿勢に感銘を受け、自分も将来はこうありたいと思った」という声もありました。そして最後には「SBIに挑戦して本当に良かった」と笑顔で締めくくってくれました。
毎日の対話から生まれた成長
日々の実習の後に行った毎日30分の課題ディスカッションでは、「協働するとは何か」「働くとはどういう意味か」といった問いに真剣に向き合い、仕事に取り組むときの毎日の自分の考えを仲間と共有しました。
「作業をやりきる達成感」だけでなく、「仲間と一緒に考えることで新しい視点が得られる喜び」も学生たちは感じていたようです。

成果発表会で見せた姿
最終日の成果発表では、それぞれが自分の成長や気づきを堂々と語りました。
「自分にはもっとできることがあると気づいた」「将来の働き方を考えるきっかけになった」など、一人ひとりが短期間で得た学びを胸に刻み、力強く未来に向かって歩み出す姿を見ることができました。

戸田商行にとってのSBI
SBIは、学生にとっては自分を見つめ直す機会であり、企業にとっては社員の育成や教育改善につながる取り組みです。
今回スーパーバイザー(SV)を務めた社員にとっても、学生に指導する過程で「自分自身の指導力や言葉の使い方」を振り返るきっかけとなりました。
実は、戸田商行がSBIに参加するのは今回で3回目になります。毎回テーマを決めて社員が学生と向き合っており、今回担当したSVは「傾聴」をテーマに取り組みました。
学生の話に耳を傾け、まずは受け止めることから始める。その積み重ねが学生の安心感につながり、主体的な行動を引き出すことを実感しました。
SBIは、ただ学生が学ぶ場にとどまらず、企業の中で「人を育てる力」を磨く場でもあります。若い世代の視点に触れることで、私たち自身も新しい気づきを得て、自社の教育や組織づくりを見直すきっかけになっています。

おわりに
「やらなければできない」という言葉を胸に挑戦し、仲間との関わりの中で自分なりに学びを深め、真剣にものづくりと向き合った学生たち。
その姿勢は私たちにとっても大きな刺激となり、戸田商行がこれからも大切にしていきたい価値を改めて感じさせてくれました。
これからも戸田商行は、地域に根ざしたものづくりを通じて、人と人が育ち合う場を大切にしていきたいと考えています。