自分のキャリアを語るなどおこがましいが…
近畿大学に「経営学部キャリアマネジメント学科」という珍しい学科がある。
「人間理解」を教育の柱にし、人のキャリアを組織の中で生かすことのできる人材マネジメントのプロフェッショナルを育成するという、教育をされているそうだ。
多様な経営者を招く特殊講義の講師としてお声かけ頂き、2年前に続いて自身のキャリアについてお話しさせていただいた。
担当は、経営学部キャリアマネジメント学科、西尾久美子教授。
普通の主婦から教授になられた大変な努力家であり、鉄の根性を持ちながらもチャーミングでキュート、キャリアを語る口調は歯切れよく、尊敬やまない先達だ。
京都出身の先生の著書「京都花街の経営学」は、バイブルのように見返す一冊。
なぜ、京都の花街が350年続き、いまだに人を惹きつけるのかが書かれている名著だ。

西尾先生にお会いしたのは10年程前。当時は京都女子大にご勤務だった。
戸田商行の経営を四苦八苦やり始めた頃だった私は、ご縁があって出講の機会をいただき60分お話しさせていただいた。
そして今回は3回目、近畿大学では2回目の出講のご依頼を頂いた。
リモートでもいいというお話だったが、大好きな西尾先生にお会いしたいし、ちょうど大阪で所要もあるし、大阪万博もこの際行っておこうと、東大阪キャンパスにお邪魔した。

近年、1限目の授業は出席者が少ないそうで、この日もゼミ生は7名のみ参加とのこと(リモート授業の影響で早起きができない学生が増えたそう)
小人数の方がよきよき。
経営者のキャリア形成というとかっこよく聞こえるかもしれないが、要するには、山あり、谷あり、修羅場ありの社長奮闘記的なお話しをさせて頂いた。
丙午年生まれで同級生が少なく競争のない環境で成長したこと、もくめん屋に嫁いでから社長になるまでのこと、新しく取り組んできたこと、苦しい時代もたくさんの方々に支えて頂き今があること。自分自身が幸せになって初めて人を幸せにできること、などなど。
学生達のお役に立てただろうか…という不安を感じつつも無事終了。東京からは、子育て中の長女も途中参加して、質問にもお答えした。

プライム上場企業で働いていた長女が戸田商行へ入社した理由にはじまり、結婚のきっかけなど、歳の近い先輩の話しは身近に感じてくれた模様。
講義後に2人の学生が話かけてくれて、講義内容への前向きな感想を語ってくれて安堵した。
レポート提出が宿題となっており、講義内容と、今まで学んだキャリアについて学んだことを落とし込んだ内容が要求されたがどのような感想がくるのかな。
お昼は、レストランで近大マグロをご褒美に頂いた(ヤッター\(^_^)/)

キャリアには、色んな選択がある。若い頃は、自分がまさか社長になるなど想像もしなかったが、自分の意思で目の前の船に飛び乗り、必死に漕いで今に至っている。
船は少しパワーアップして小型エンジンくらいの馬力を搭載し、なんとか止まらず進んでる。
そして、この航海を通じていろんな経験をし、また苦労もあるが、自分のキャリアは間違っていなかったと確信しているし、周りの人に感謝をしながら今に幸せを感じて生きている。
未来の担い手たちが、自由に、自分らしい道を選び、幸せだと感じる選択をして欲しいと心から思う。
そんな願いを胸に、高知に戻ろう。